上司や先輩からの厳しいパワハラやモラハラに悩んでいる保育士は大勢います。場合によっては心身ともに疲れ果てて離職してしまったり、女性としての喜びのひとつである妊娠なども願うようにできなくなってしまうケースも。今回は保育園のパワハラ・モラハラの実態と対処法をお伝えします。
業界人の本音(裏話)トーク
年齢 :21歳
保育歴 :1年
地域 :栃木県宇都宮市
地元の保育園で働いているのですが、1人のベテラン保育士さんと仕事の息が合わず、「仕事ができない」イメージを持たれてしまいました。それからというもの、何かとケチをつけられて挙句の果てには「あなたのここがダメ!」と子供たちの前で私を叱るように。子供たちもそんな私を見ているから指導しても言うことを聞いてくれません。
そのベテラン保育士さんは私の「ダメな仕事ぶり」をほかの保育士さんにも吹聴しているみたいで、気が付いたら仕事仲間からも子供たちからも嫌われてしましました。
保育園は「女社会」です。いくら小さな保育園でも「派閥」があったり「怒らせてはいけない人」がおり、一度反感を買ってしまうとパワハラ・モラハラの標的となってしまいます。仕事面だけでなく人格を否定されてしまう事も。
年齢 :24歳
保育歴 :4年
地域 :神奈川県横浜市
30代~40代の保育士が中心の園で20代前半は私ひとり。子供たちからも懐かれて最初は楽しく仕事してたんですが、主任の保育士から「若いってだけで子供たちに好かれて良いわよねぇ。」と嫌味を言われました。それ以降、嫉妬からなのか、掃除や片付け、資料作成や教室内の装飾などの雑用ばかり私だけに押し付け、残業ばかりになってしまいました。
これもよくある例です。若さや可愛さなどで「目立ってしまう」保育士に対しての嫉妬心から過度な仕事量を課したり鬱憤を晴らすために悪口を言ったりして傷つけます。しかしパワハラを受けた保育士はどうすることも出来ず…。
同性間でもセクハラはあり得ます。しかし、単純に性的な嫌がらせだけでなく、経営難から人員調整の為、特定の保育士に結婚を執拗に促すようなものもあります。保育園にとって、このまま保育士さんを抱えるより、クビにするより、寿退社してもらうことが一番ラクで収まりがいいのです。
年齢 :28歳
保育歴 :8年
地域 :高知県四万十市
30歳を目前にし、年齢や体力を考慮してそろそろ子どもを産みたいと思い、周囲の保育士さんに話したところ、それを聞きつけた園長が「今あなたに産休で休まれては困る、妊娠なんてしないで。周りの事も考えて。」と言われました。
その話を過去に妊娠して産休を取った先輩保育士に話したところ、その先輩も妊娠を園に報告した瞬間に周囲が冷たくなり、身重で仕事がし辛くなってもあまり手助けをされなかったそうです。人手不足なのはわかるけど…だからって「妊娠しないで」なんていわれる筋合いはありません!
保育業界に限らずこの問題はありますが、妊娠によって長期休暇を取られ、自分達に仕事のしわ寄せがくることを快く思っていない人は多くいます。また、身重で体調が不安定な妊婦さんに対して「その状態で仕事されても気を遣うし邪魔」と敬遠する人も多いです。
小さな保育園などは社内インフラも整っておらず、1人の離脱が保育園にとって致命的になることが多々あるので園長が自らこのような発言をするケースもあるようです。
明日にでも、自分がパワハラ・モラハラの標的になってしまう可能性があります。ではそうなった場合、どのような対処をすればいいのでしょうか?
このような事態に陥っても「耐えなきゃ!」と思ってしまいがち。しかしパワハラ、モラハラはあなたのせいではありません。「周囲に迷惑がかかる」と思って心身ボロボロになる前に、まずは自分をいたわってあげてください。温かいお風呂に使ったり、日光浴をするだけでも気持ちは変わります。また瞑想などのメンタルケアも実践してみては如何でしょうか。
1人で悩まずに必ず信頼できる友人や同僚に相談しましょう。なるべく味方をつけて「私にはこれだけ力になってくれる人がいるんだ!」という実感を得ることも非常に大事です。
また、理解があって問題解決に尽力してくれる上司であれば相手に直接話してくれたり関わりの少ない人事配置をしてくれるかもしれません。
もし、業務の中でハラスメントの証拠を集めることができるのであればメモやボイスレコーダーなどを使用して集めましょう。話し合いや裁判で非常に有効な証拠になります。その際は日時や状況を併せて明記しておくことが大事。
しかし、一度裁判となるとその裁判自体で心身が摩耗してしまう危険が。そして保育園側との関係も険悪になり、「解決」とは程遠い結果になってしまうこともあるでしょう。証拠として持っていた録音物が「盗聴」とされて効力を持たなかったというケースもあるそうです。
どんなことにも「理由」はあります。その人が「なぜ、私に対してパワハラをするのか」を話し合いの中で見出して改善や解決に持っていければベストです。その話し合いや今後の行い次第でパワハラが無くなれば時間も労力も最小限に抑えて解決できますね。
話し合いをするにあたって大事なのは「友好的な話し合い」を心がけること。「正論」や「まっとうな要望」だけで理論武装することはNG、相手の気持ちを逆なでしてしまう可能性があります。ここはひとつ、「自分のほうが大人」だと思って、相手の話に耳を傾け一緒に問題解決に向かっていくという気持ちが大事です。
相談できる公的機関 |
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・労働基準監督署 ・自治体の担当職員 ・労働相談ホットライン ・法テラスなどの法律相談所 |
周りに相談できる人がいない、話し合いが決裂に終わってしまった、自分1人では解決できそうにない…、などの場合は上記のような公的機関に相談しましょう。
不当な労働を強いられてしまっているなら「労働基準監督署」、働く上でのアドバイスや性的な嫌がらせも含む相談であれば「自治体の担当職員(公立の場合)」、「労働相談ホットライン」、法的に解決したいのであれば法テラスなどの「法律相談所」に掛け合ってみるといいでしょう。
先ほど「裁判はおススメしない」と書いた通り、相談したことによって実際に公的機関が動くような事態になると保育園相手に「ケンカ」になってしまいがちです。事を大きくしたくないのであれば「アドバイスを貰えれば…」程度に助けを求めるのが賢明です。「ケンカに勝ちたいのか」と「みんなと楽しく働きたいのか」は別と捉えましょう。
どうしても問題解決ができない、関係が修復できないといった場合は思い切って「転職」してみてはいかがでしょうか?保育園はひとつだけではありません。パワハラ、モラハラによって保育の楽しさを忘れてしまうぐらいなら環境を変えるために今より素敵な保育園に転職してみてはいかがでしょうか?
パワハラ、モラハラに悩んでいる方はほかの保育園がどのような環境かを知るために「保育士転職サイト」を覗いてみましょう。そしてそこにいるアドバイザーは「信頼できる話し相手」、「保育士業界に熟知したプロフェッショナル」、「問題を解決してくれる強力な味方」、すべてを担ってくれます。
求人内容だけでなく、コラム記事やニュース記事に力を入れているサイトはたくさんあります。もちろんその中にはパワハラ、モラハラに関しての記事も、厳しい労働環境に関しても記事も多くあり、保育士さんの「クチコミ」もあるので有意義な情報収集や意見交換ができるでしょう。
アドバイザーは保育士業界のプロです。相談すれば様々な情報や解決策をアドバイスしてくれますし、転職したいと願う人に対して素早く動いてくれます。転職の際には履歴書の書き方や保育園の選び方、そして待遇面の交渉まで一緒にやってくれます。「パワハラ、モラハラがない保育園は?」なんて要望も真摯に受け止めてくれるでしょう!
数ある「保育士転職サイト」の中で信頼できるサイトを探すために押さえておくべきポイントは3つ。また、そのような信頼できるサイトは求人以外の「ニュースコラム」や「クチコミ情報」などの内容も充実しているので年収を上げたい方はまずは登録しておいて損はありません。
◆マイナビ保育士
◆保育ひろば
この2つの転職サイトは利用者からの評判が良いので登録しておいて間違いありません。
また利用者のリアルな口コミを参考にするのもとても重要になってきます。実際に転職した人が何を便利だと思ったのか、どんな部分が気に入らなかったのか赤裸々に書いてありますので転職や情報収集の参考になること間違いなしです。