保育園に勤務する上で人間関係の悩みは尽きません。
対子ども、対保護者、対職員、対地域の人などなど、対象となる人によってもストレス度は違ってきますよね。
そのストレスがすぐに解決できるレベルならばいいのですが、ずっと1人で抱え込み、悩み、どうすればいいのかわからずに苦しむ人がたくさんいるのも事実です。実際に私は鬱の症状が出たこともありました。保育園ならでは、女の職場ならではの人間関係に悩まされた結果です。解決方法は本当にあるのか?どうしたらいいのか?
現役保育士にアンケート取り生の声を題材にして解説していきたいと思います。
目次タイトル
質問:保育園の人間関係にストレスと感じている・感じた経験があるか?
YES:92%
NO : 8%
ほとんどの保育士が何かしらの人間関係にストレスを感じていると思って間違いありません。実際にどんな悩みがあるのか?どう解決をして言ったらいいのか?詳しくみていきましょう。
預かる人数、年齢によっても違いはありますが、ストレスというより神経を一番使うのが子供ですよね。
子どもによっては朝早くから夕方遅くまで、1日の内で親よりも長く保育士と関わる子どもも珍しくありません。その中で安全安心に、しかも楽しんで過ごせるよう神経を使います。特に園外活動なんて神経ピリピリです。
1人1人の性格が違うように、保護者も様々な性格の方がいますよね。
お話好きな方、おとなしい方、神経質な方、反対にルーズな方など。こちらの要望や子どものことに関して伝えたいことをしっかりと受け止めて下さる方であれば特に問題もありませんが、間違った受け止め方、解釈をされてトラブルになることもあります。
一方、子どもに関することを再三に渡ってお願いをしても一向に改善が見られないというケースもあります。保護者によって伝える方法を考えなくてはいけないし、物の言い方ひとつでその後の関係に影響が出ますので、ちょっと癖のあるような人や、俗にいうモンスターペアレンツには頭も神経も使いますね。
保育士を辞めてしまう原因は人間関係というのはよく聞かれることです。具体的に言えば職員間の人間関係ではないかと思います。転職する理由で圧倒的に多いのが職員間の問題。ほぼ職員への不信感、孤独感等に悩まされ、結果退職という形をとるケースも少なくありません。
気が合う人、保育をしていく上で価値観が合う人であれば、とても過ごしやすく悩みがあったとしても相談する人がいるわけですから問題解決も早いと思われます。ですが、ちょっとした気持ちの行き違い、言葉の足りなさ、その人に対する不満、嫉妬心からくるいじめなどから辞めざるを得ないなんてこともあります。
同僚であるが故の悩みであり、解決の糸口が見つけづらいのもストレス高めの要因です。
対処法で当てはまるのは…
①辛いもの以上にやりがいを見つける
②仕事だと割り切る
③私生活で発散させる
神経は使いますが、大きなストレスはそれほどかからなかと思われます。子どもの年齢が小さければ小さい程、複数担任になりますので、保育をする上では相談、協力相手がたくさんいることになりますね。
1人担任であっても、隣のクラス、主任や園長もいますので相談は出来るかと思います。この場合、大切なのは話し合うことです。また、役割分担、園外活動、行事等であれば職員配置など、細かく決めていくことでストレス軽減にもつながるかと思います。
しかし、これはあくまで職員間の関係が良好であることが前提です。あってはならないことですが、職員間のいざこざ(好き嫌い的なもの)で、協力体制が取られないなんてこともあり得るのです。
対処法で当てはまるのは…
②仕事だと割り切る
③私生活で発散させる
④関わるのを避ける
⑤相手から好まれるように演じる
時折、保育士や園に対してクレームを言われる方がいますよね。クレームとまではいかないにしても、こうしてほしいという要望を直接言われたり、あるいは意見箱に無記名で書かれていたり…。大抵は、保育士との普段のやり取りの中で不満や心配事があっても意外と解決していたりするものです。
保護者との関係が希薄になっていたりすると、本来であれば担任に相談するところを直に園長先生に言ってしまって小さい問題が大きくなったりするケースもあります。
保護者との信頼関係を築くためにはまず挨拶をするところからでしょう。一言二言でいいので声をかけるだけでも印象は全然違いますよ。これは保護者全員が対象です。クラスが違うと名前も分からない時がありますし、その日の子どもの様子も分からないと思いますが、笑顔で挨拶をしたり、楽しく子どもと接してくれる先生には安心感を覚えますよね。
要するに、話しやすい雰囲気を持つということですね。保護者は意外と保育士の様子を見ているものです。話しやすい、気が合う保護者とは世間話を含めダラダラ長く話したりしていても、話しにくい人とは事務的な会話だと「〇〇先生は、△△ちゃんのお母さんとばかり話している」と言われかねません。バランスよくどの保護者に対しても平等に接するようにしましょう。
それでも生理的にダメな保護者は、嫌われない程度に距離を保ちながらできるだけ接点を持たないように他の先生や園長に協力してもらうこともアリです。とにかく自分ひとりで抱え込まないことが大切!
対処法で当てはまるのは…
①辛いもの以上にやりがいを見つける
②仕事だと割り切る
③私生活で発散させる
⑤相手から好まれるように演じる
職員間ほど難しいものはないかもしれません。
上手くいっていれば気にならないことも、一度こじれてしまうと、言動一つ一つが気になり、嫌悪感さえ抱くことになってしまいます。保育士は資格を取る為短大や大学で専門の勉強をしますが、現場において保育士の資質というものは、その人の育ちからくる価値観の違いでもあると思います。
子どもが起こした行動に対して許せる、許せないなどの考えの違いが出てしまうのも仕方ないのかもしれません。だからこそ、話し合うということがとても重要なんだと思います。話し合うだけではありません。そこで相手の意見に反発するのではなく、歩み寄るということが必要です。
話し合いだけで全てが上手くいくわけではありませんが、関係がこじれる一つの原因として言葉の足りなさがあると思われます。そんなつもりで言ったわけでなないのに、人から人へ伝わっていく内にどんどん尾びれがついて、言ってもいないようなことまでついてしまうなんてこともあります。人づてで聞くよりは、本人からしっかりと聞くべきですよね。陰でコソコソ悪口を言っても、結局回り回って自分に返ってきますからね。
でも積極的にかかわれるかどうかは個人差があります。無理をしてさらにストレスがかかり体調不良になってしまう…こういう状態になってしまうのは避けたいですよね。1つだけ言えることは、環境から逃げるのもアリだということです。
もちろん、今の職場で頑張ることも大切です。どやったら人間関係が上手くいくか、どうしたら改善できるのか…考えて実行すれば環境が変わる可能性もあります。
ただ、1つだけ言えることは人間そんなに簡単に変わることは不可能だということです。
ましてや相手が自分よりもその保育園歴が長い場合は、主任や園長も歴の長い保育士に耳を傾けがちです。
自分なりに頑張っても解決できない場合は『転職』も視野に入れてみましょう。世の中に保育園なんてたくさんありますし、今はどこも職員が足りていない状態です。
どんな保育園で働きやすいかが1人1人違いますから、思い切って環境を変えてみたら今の悩みが解消される可能性は十分にあるんです!
その際は転職サイトのアドバイザーに話をしてみて下さい。客観的に意見をくれますから、「転職するべきなのか?それとも他の方法をとった方がいいのか?」など客観的な視点から意見をもらえます。身近に相談できる人がいる場合はその人に悩みを打ち明けるのもOKですし、いない場合は転職サイトのアドバイザーを頼ることもできます。
保育士という仕事は、大切な命を預かっている仕事です。どんなにきつくても、苦しくても、子どもたちの笑顔に救われます。
私は一度保育士から離れ、全く畑違いの職業に就いたことがあります。ほかの仕事に就いたことで自分がいかに狭い世界で過ごしているのかわかりました。楽しくもあったけれど、結局保育士に戻りました。子どもに教えているのではなくて、教えられ成長させてもらっているんだなと思えるようになったからです。
保育園で勤めている以上、人間関係には悩まされ続けるかもしれませんが、子どもはしっかりと見ていてくれます!頑張って、頑張って、それでも関係が回復せず心身に影響が出るようなら思い切って離れてみるのもアリです。真面目過ぎるがゆえに1つの保育園の人間関係で精神的なショックを受けてしまうのであれば、思い切って相談してみましょう!
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