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最近、増えてきている派遣保育士さん。今では、保育士専門の派遣会社もあります。派遣会社に登録すると、勤務条件などを考慮して自分に見合った派遣先を紹介してくれます。
派遣会社には、認可保育園だけでなく、認可外保育園、企業内保育園、院内保育園、福祉施設など、様々な派遣先があります。
同じ職場で働く保育士のなかでも派遣保育士は何が違うのでしょうか?
正社員やパートの保育士が直接勤務先に雇用されるのと違い、派遣保育士の場合は雇用主が派遣会社になります。
仕事場の保育園に雇用されているわけではないので、お給料や雇用条件などは派遣会社との間での契約になります。同じ保育園の勤務でも契約期間が決まっているので、その都度更新するかどうかお互いに決めていく形になります。
保育の仕事自体は変わりませんが、派遣の期間があらかじめ決まっているので、正社員のようなクラスを運営していく仕事ではなく保育の補助的な役割を期待するところが多いようです。
派遣会社にあらかじめ希望の勤務条件を伝えて、合ったところを紹介してもらえるので、自分の生活リズムに合った働き方ができます。
『子供がいて、夕方には帰宅したい』とか、『週何日の勤務を希望』、『早朝、延長保育の勤務希望』など、あらかじめ仕事とプライベートの両立がしやすい条件で仕事を始めることができます。
仕事の大変さのわりにお給料が安いと言われている保育士の仕事。派遣保育士では、雇用が派遣会社との間になるので、直接雇用された時よりも時給が高い傾向にあります。
福利厚生も派遣会社できまるので、しっかりした派遣会社であれば福利厚生の心配も全くありません。
短時間勤務をしたいけど、パートのお給料はちょっと…と、いう方にもおすすめです。
保育士の仕事は、日々の保育のほかにも、保育の計画を立てたり行事の準備をしたりと、たくさんの事務仕事があります。子供達との保育時間内では、なかなかこうした事務仕事はできないので、どうしても残業が増えてしまいます。
また、休日も行事が近くなると、行事にむけての制作や準備に追われてしまうこともあります。
派遣保育士では、担任の先生のするような書類仕事や持ち帰り仕事がほとんどなく、基本的には時間外残業もありません。
多くの保育士さんが職場の悩みの1つに人間関係をあげています。
派遣保育士では、仕事場の保育園が人間関係が良くない職場だったとしても、派遣期間終了後に次回の契約を更新しない選択肢もあるので、人間関係に深入りしすぎずに精神的に多少の余裕がもてるかもしれません。
また、あいだに派遣会社の担当者が入ってくれているので、困ったことがあれば相談したり、保育園との仲介をお願いすることも可能です。
どの職場であっても、基本的には人間関係を円満に築いていくような努力は求められますが、派遣保育士には人間関係のストレスを長期間抱え込まずにすむ安心感があります。
もし、自分に合わなくて契約の更新をしなくても、派遣期間後の退職理由は「任期満了」という扱いになり、派遣会社という雇用主を変えることなく職場を移ることができます。
フルタイムで働くとなるとボーナスが支給されないので、やはり正社員と比べて年収に差が出てしまう部分はあります。また、時給制なので祝日の多い月など、出勤日数が少なくなるとどうしてもお給料は少なくなってしまいます。
また派遣は昇給がほぼありません。同じ職場にいる場合は最初に提示された時給で働き続けると考えた方がいいでしょう。
残業もできないと考えるのが無難です。派遣は時給は高いですが、『できるだけ多く給料をもらいたい』という人には向かないのです。
派遣保育士では、基本的には同じ保育園で働くのは最長で3年間になります。派遣保育士のデメリットには、長く続けたいと思っても、契約の更新の保証や長期にわたって働ける安定性がない点があげられます。
仕事にも慣れ、子供達とも打ち解けてきたころに契約が終わってしまうなんてことも…。とくに、けがなどで一時的に休職している先生の代わりに派遣された場合は、短期間で終わってしまうこともありますし、場合によっては園から契約の更新を打ち切られてしまう可能性もあります。
同じように働いていても、所属や雇用期間の違いから、部外者のように感じてしまうこともあるかもしれません。
派遣保育士では、基本的には担任ではなく補助的な仕事内容が多いようです。
フリーとして働いたり、集団保育の中で補助が必要な子供の担当になったり、雑用なども増える傾向にあります。人手不足を補うため、行事の準備や事務仕事まで対応することもあるようです。
「担任として、自分の保育がしてみたい」「経験を積んで、いつかは主任を目指したい」というような目標がある人には、将来の目標がもちにくく物足りなく感じてしまうでしょう。
出産後の、保育士の仕事と家事、育児との両立を考えると復帰を迷ってしまい、また、なにより自分の子供との時間を大切にしたいこともあって退職をすることを選びました。子供が小学校になったのを機に、また保育の仕事をしたいなと思うようになり、パートよりも時給の良い派遣保育士を選ぶことにしました。
契約が3カ月ごとに更新があるのは毎回ドキドキして不安ですけど、同じ園内のパートさんと比べると時給も若干いいですし、何か嫌なことがあっても他の保育園に移ることも難しくないので私は派遣の方が合っています。
新卒で正社員として保育園で働き始めました。大好きな子供たちに囲まれてのあこがれの仕事だったのですが、園の体質が合わず人間関係の悩みもあって、結局辞めてしまいました。子供と関わる仕事が好きだけど、転職を繰り返すわけにもいかないから、思いきって派遣という方法で働くことにしました。
良いところもたくさんありますが給料に関していうと正社員の方が多かったです。パツパツだった生活が更にパツパツになりました。
派遣保育士は、勤務日数や時間の融通がきくことから、30代以上の子育て中の保育士さんが多く働いているようです。
しかし最近では、20代の若い保育士さんたちも利用するようになってきています。
でもこれはあまりオススメできない人達なんです。
派遣は家庭や子育てなど何かしらの理由で働く時間や日数が制限されている人にはオススメできる働き方ですが、「楽だから、時給がいいから」など目的がない人達にはオススメできない働き方なんです。
保育園側にとって派遣で来る人は外部の人間です。できるだけストレスをかけないように働いてもらわないと続かないために、仕事も責任が重いものなどは割り振りません。
派遣で働くと「成長できる幅が狭くなってしまう」のです。
いざ、転職する時にも「あ、この人は派遣で働いていたんだ、正社員で働けない人なのかな?」と思われてしまいます。家事との両立など明確な理由があれば構いませんが「楽だから、正社員が大変だったから」など逃げの理由で派遣を選んでいる人にいい印象は持ちません。