共働きで子供が病気になった時でも仕事を休めない、しかも流行の感染症などであれば今預けている保育園にはなかなか預けづらい…。そういったときの為に「病児保育」を行っている施設があります。病院や保育園に併設されていることがほとんどですが、通常の園のような集団生活の場ではなく、治るまで一時的に病気の子どもを預ける場所です。
つい先日、この「病児保育」をテーマにしたドラマが放映されたことで保育業界はもちろん、世間一般にも広く認知されるようになりましたが、では実際「病児保育」の現場はどのようなものなのでしょうか?
目次タイトル
「病児保育」の現場は大きく分けて3つ。それぞれ子どもの病気の具合によって、また病状の進行状況によって預ける場所が変わってきます。
医療施設併設型 |
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病院や医療機関に併設されている施設。現在感染症や、重篤な病気を患っている子どもを、回復するまで預かります。医者や看護師が常駐しているので不測の事態にも迅速に対応。 |
保育園併設施設 |
回復はしているけれど、感染などの危険を考慮して集団生活を避けるべき子どもや、体調不良を訴える子どもを一時的に預かる場所。子どもが「休養」するための施設です。 |
訪問 |
病気の子どもの自宅に保育士や医者が直接訪問。子どもにとっては安心してリラックスして療養でき、なおかつ外出や移動のストレスを与えずにケアができます。 |
「病児保育」の現場は大きく分けてこの3つ。いずれも厚労省の「乳幼児健康支援一時預かり事業」として国の支援を受けている事業です。
施設の特徴としては限られた部屋数で行っているので基本的に全年齢同じように看る「混合保育制」。対象となる子どもの年齢はおおむね10歳未満です。
「病児保育」においての保育士さんの役目は、子どもたちにリラックスしてもらいつつ、「病気を治す」という気力を育ててあげることです。治療に伴う心身的なケアが主体なので、お医者さんや看護師の方と連携とりつつ保育を行いますが、医療にに直接かかわることはあまりありません。
また、多くの施設が土日祝日休みの場合が多く、イベント行事も少ないので比較的残業が少なく、休日を確保できます。
「病児保育施設」での給料は資格の有無や施設の規模にもよりますが、おおむね「通常の保育園と同等のお給料」と考えていいでしょう。しかし施設は病院や保育園の収入から施設を運営しており、なおかつシステム上、預かる子どもの数が前日までわからないということもあり経営自体は非常に不安定です。
保護者からのニーズは増える傾向にありますが、その反面どこも経営難でなおかつ施設の数が少ないということを念頭に置くことが賢明です。
病児保育にまつわる民間資格 |
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・認定病児保育スペシャリスト ・認定病児保育専門士 ・医療保育専門士 ・ベビーシッター ・チャイルドマインダー |
「病児保育」をするにあたって「保育士資格」があればだれでも携わることができますが、上記の資格を持っていれば採用の面では施設にとって大きな判断材料になるでしょう。
また、資格によって知識として得れる分野が変わります。例えば子どものライフスタイルに合わせてメンタルケアを身に着けたいのであれば「医療保育専門士」、知識やスキルなど専門性を高めたいのであれば「認定病児保育専門士」など。
ただし、施設の経営状況によっては収入や待遇面の向上に直接影響があるとは限りません。なお、上記の資格にはそれぞれ勤続年数や講座の受講の有無、現在勤務している施設長からの推薦などの「受験条件」があるので、受ける際には事前に確認しておきましょう。
メリット |
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・土日、祝日休みの場合が多く、残業が少ない ・年間行事、イベントが少ない ・室外保育が無いので体力面での負担が少ない ・子どもひとりひとりとしっかり向き合える ・日々変化が多く、気持ちをリセットできる ・子どもを支える立場として、充実感を感じる |
デメリット |
・命に関わる仕事なのでプレッシャーが大きい ・毎日預かる子どもが変わる ・非正規雇用が多い ・医師との連携が大変 ・感染症の流行時は忙しい ・環境の変化に素早く順応が必須(訪問型) |
「病児保育」は時と場合によっては「命」に関わる局面と向き合わなくてはいけない仕事です。その子どもにとって大事な瞬間に携わることを「やりがい」や「使命」と感じるか、「プレッシャー」と感じるかは保育士次第です。
また、「日々の変化」も避けては通れないものです。訪問型だと毎日違う家に訪問しますし、施設で働いていても預かる子どもは毎日違います。この変化を「毎日気分を入れ替えて仕事できる」と感じるか、「毎日の変化に順応することが大変」と捉えるか、これも保育士次第です。
「病児保育施設」は保護者からのニーズが増えているのはもちろん、その仕事に魅力を感じている保育士も多く、現在応募が殺到しています。その反面、施設の数は非常に少なくそのほとんどが都市部に集中しているのもあり転職することは非常に困難です。
施設側も募集する際には応募が殺到して混乱しないように「非公開求人」とする場合が多くあります。「非公開求人」とはおおやけに募集していない求人の事。良い条件の求人ほど「非公開求人」になってる場合がほとんどです。
「病児保育」の現場に転職する際は人材紹介機関で公開している求人だけ見て転職するのではなく、「非公開求人」もチェックすることが大事。「保育士転職サイト」では会員登録することによって専属のアドバイザーが付くのでやり取りする中で「非公開求人」も紹介してくれるでしょう。
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