保育士のサービス残業は無くせる?減らす方法はあるの?

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「保育士のサービス残業は無くせる?減らす方法はあるの?」
保育士業界に於いて「サービス残業」の改善は永遠のテーマね。
厚生労働省のデータによれば保育士さんの平均残業時間は「1ヵ月で4時間」だそうじゃよ。
そんなワケないじゃない!実際はその何十倍も働いているわよ!
「サービス」というと聞こえはいいが、ただの無賃労働。一体なぜそんな事態になってしまったのじゃろうな。

保育士さんにとって一番の悩みの種「サービス残業」。多くの保育園ではタイムカードを押した後に作業しなくてはいけなかったり、タイムカードがもともと無かったりすることも…。その過酷な労働システムは一日でも早く改善されるべきですが、どうやら原因は保育士さん自身の「意識」にもありそうです。

目次タイトル

 

保育士業界サービス残業の実態

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サービス残業、身をもって味わってはいるけど、今一度しっかり現状を分かっておくべきね。
本来ならばそれ相応のお給料を貰えるはずなんじゃがのう…。

保育士さんは業務時間内に収まりきらなかった仕事をサービス残業や自宅に持ち帰ってこなしています。それらすべてに残業手当がつけば保育士さんの月給は30万円程度になるだろうといわれています。

休憩ゼロ!残業報酬ゼロ!

保育士の仕事は「子どもを保育」することじゃ。しかし子どもが全員帰ったら仕事は終了かい?
そのあと資料作成や園内の装飾を作ったり、イベントの準備などをするわ。
そうじゃな。しかしそれらの仕事を「仕事」と捉えずに単に「子どもを預かる時間=保育士の勤務時間」であるという考えが蔓延しておるんじゃ。
「子どもを預かる以外は仕事のうちに入らない」ってこと?あんまりよ!

「子どもを預かること」だけを保育士の業務と捉えられ、それ以外の業務は「仕事」として捉えられません。保育園側もその認識を改善しようとしません。それが「当たり前」だと思っているからです。そのような「間違った常識」が保育業界に蔓延しているのです。

厚生労働省が発表した「保育士の平均残業時間」は「1ヵ月で4時間」。しかし実際は「1日に4時間前後」と言われています。「サービス残業」は「残業」に含まれません。

しかも子どもを預かっているときは慌しくてろくな休憩も貰えないのにな。「休憩ゼロ!残業報酬ゼロ!」は保育業界の「間違った常識」なんじゃよ。

また、本来であれば1時間の休憩も与えられているはずですが、子どもがたくさんいる現場ではそれもままならず、実際にはお茶をゆっくり飲む時間もありません。これも「当たり前」です。

その過酷な残業内容!

単純に保育士さん事態に「能力が無い」のであればサービス残業は頷けるわ。時間内に終わらせられなかったんだものね。でもそうじゃないでしょ?
保育士さんが普段どんな仕事をサービス残業内に行っておるのかの?
サービス残業の内容
・保育計画書
・園だより、クラスだより
・保育計画記録
・イベント準備
・室内の装飾
・お誕生日カード
・ピアノや歌の練習

・掃除、雑用

こんな仕事、子どもがいるときに出来るわけないじゃない!  
これらすべてが「勤務時間外」にやならきゃいけないことなんて、あり得んな。これらは立派な「仕事」じゃよ。

働く人は残業や家に仕事を持ち帰ることなく勤務時間内にすべての仕事を終わらせることが本来あるべき姿です。ではサービス残業が多い保育士さんは「仕事を時間内に終わらせることができない能力のない人」ばかりなのでしょうか?

答えはもちろん「NO」です。そもそも保育士さん1人当たりの仕事量がとても多く、その大半が子どもの保育の片手間ではできない業務ばかりです。これでは残業を余儀なくされることは当然のことです。

なぜサービス残業は増えてしまうの?

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でも「仕事量が多い」からって「サービス残業」には結び付かないわよ。原因はもっとありそうね。
先ほどサービス残業は「間違った常識」と言ったが、その常識を作り出している原因を教えるぞよ。

深刻な人手不足

まずは単純に人手が足りん。保育士さんは給料が安く仕事もキツイからなろうとする人が少ないんじゃ。
仕事を分担してくれる人がいないのね…。
1人当たりの仕事量が増えるのは当然じゃな。

日報や計画書を作成するのは保育士さんの仕事ですが、その他の細やかな仕事をこなしてくれる人員を確保するほど保育園にはお金も余裕もありません。結果、保育士さんひとりひとりがカバーをしなくてはならず当然残業時間は増えます。場合によっては土日に自宅で作業することも。

これによって保育士さんは自分の時間やリフレッシュする時間を確保できずに体調を崩してしまったり、精神的に疲弊してしまいます。

無駄な「気遣い」

そして、無駄な「気遣い」じゃ。先輩保育士や園長の手前、早めに出勤しなくてはいけなかったり、先に帰れない状況とかな。
「暗黙の了解」ってやつね。
年功序列や女社会の性格が強く出ておるな。
たまーに「早く帰りなさい」って言われることもあるけど、それって本心じゃないわよね。
「私は帰ってと言いましたよ。」と念を押すためじゃ。あくまで「自分の意志で残業している」という意識を持たせるためじゃよ。

サービス残業のもう1つの原因は「サービス残業をしなくてはいけない空気」です。保育園という環境上、先輩や園長よりも早く帰ったり、仕事をしないということはご法度。たとえ仕事が終わっていたとしてもなかなか帰りづらいのです。

また、園長に「帰っていいわよ」と言われることもありますが、それは残業代を出したくないからであって、仕事を減らしてくれるわけではありません。あくまで「私は帰っていいと言ったけど残業をしている=すすんでサービス残業をしている」という縮図を作りたいだけの場合が多いのです。

残業を「愛」だと思っていませんか?

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そしてこれは保育士さんの意識の問題じゃが、「残業することは子どもたちへの愛」だと思ってしまう事じゃ。
ほかの保育士さんが遅くまで仕事をしてるのに自分だけ時間通りに帰ったら「保育士として意識が低い」と思われてしまいそうよね。
さよう、残業しても見合った手当を貰えないとなると保育士さんは「子どもを愛しているからやっている」と思わないとやってられないのじゃよ。
本当は時間通りに帰ることが普通なのにね。

ほとんどの保育士さんは残業に見合った手当を貰えていません。では残業のモチベーションどのように保てばいいのでしょうか?答えは「子どもたちへの愛」です。「たとえ無給だとしても子どもたちのために働くわ!」という気持ちがないと日々の過酷な残業を乗り越えれないのです。

しかし、これは誤った意識です。仕事量の多い少ないは「愛情の大きさ」ではありません。子どもたちへの愛があるのであればしっかり休養を取って心身ともに健康な状態で子どもたちと向き合うべきなのです。

サービス残業を減らすには?

保育園の労働環境や保育士さんの意識の問題に原因があるとなると、サービス残業をなくすって相当難しいと思うけど…。
しかし、たとえ少しの改善しか見込めなくても、以下の事を試してみてはどうじゃ?

タイムマネジメントをしっかり!

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日々の目の回るような業務内容に翻弄されてしまって目の前のことに一生懸命になってしまいがちじゃが、まずは「スケジュール」を作ることから始めてみんか?
「この時間までには終わらせよう」って思うだけで全然違ってくるわよね。「残業するのが当たり前」って思ってしまうとダラダラ仕事してしまいがちなのよ。
一日のスケジュールを立てて動くことができれば「無駄な作業」「改善点」が見えてくるじゃろう。仕事を効率的にこなすのじゃ。

サービス残業をなくすためにはまず「自分が普段どのようなスケジュールでどのぐらい作業に時間をかけているか」を知ることが大事。そして作業時間を整理して目標を立ててそれに向かって仕事することが大事です。

例えば資料作成の際には決まったフォーマットを作って日々の業務を書き込むだけという環境を作ったり、室内の装飾や衣装などはなるべく作成に手間のかからない工夫や素材を使うなど。「この時間までに終わらせる!」という意識を持つだけでもだいぶ違います。

「自己犠牲」をなくす!

そして「自己犠牲」の意識をなくすことじゃ。お給料を貰っている以上、保育士は仕事じゃ。本来は業務に見合った報酬を受け取るべきなのじゃよ。
「無賃労働」はするべきでないとまずは認識するべきね。
さよう。これは自分1人で思う事ではないかもしれんな。できれば職場の周りの保育士さんと話し合うことが大事かもしれん。

先ほども書いた通り、「子どもたちの為にもサービス残業しなくてはならない」という認識は捨て、キチンと労働時間にのっとった「仕事」と捉えて作業しましょう。また、ほかの保育士さんと率先してコミュニケーションを取り、仕事を分担して効率よく仕事ができれば自分だけでなく、周りの保育士さんの残業時間も減るはずです。

「無駄な気遣い」「暗黙の了解」はほかの保育士さんも頭を抱えておるじゃろう。みんなで協力して助け合えばこのような風潮は薄れるかもしれんな。

サービス残業を少しでも減らそう!

なかなか難しいところはあるかもしれないけど、それでもできることはありそうね。
保育園という環境上、保育士さんの力だけでは改善できない部分も多い。しかし保育士さんひとりひとりの「意識」が少しでも変われば状況は変わるかもしれんぞよ。
まずは「自分のすべき仕事を労働時間内にどこまで終わらせられるか」を意識してみるわ!

保育士のサービス残業。その実態と原因は非常に複雑で根深い問題です。保育士の力だけでは解決できないことも多いでしょう。しかしひとりひとりの意識で少しでも減らせることはできるはずです。現状に翻弄されずにまずは「自分のすべき仕事」を受け止め、試行錯誤や工夫をして作業を効率的にこなしてみてはいかがでしょうか?

そしてその「自分は時間内にこれぐらいの仕事ができた!」という意識は「自信」につながります。それを上司や園長にアピールすることによって帰りやすい空気になったり、周囲の意識も変わるかもしれません。

あとは保育園を変えることも視野に入れてみてはいかがかな?「保育士転職サイト」を見てみよう!保育業界の貴重な情報が満載じゃ。  
今のところよりもサービス残業が少ない保育園だってきっとあるはずよね!
「保育士転職サイト」には保育業界を熟知しておるアドバイザーがいるから、まずは相談してみるのも手じゃな。

それでもどうしても環境が改善されなかったり、それによって心身が疲弊してしまいそうであれば「環境」を変えてしまうのも得策です。公的機関や「保育士転職サイト」などのアドバイザーに相談してみてはいかがでしょうか?決して無理をせず、快適な環境で保育をしてください。

 

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